astralis 24 詩 |
和解はその争いのさなかにある。そして
別れ別れになったものはみなまためぐりあうのだ。
血管は心臓で別れてまた心臓にかえる
そしていっさいは一なる
永遠の灼熱している生命なのだ。
ヘルダーリン
春への憧憬
樹木がやさしくうたっている
黄金色の花房が不安げに揺れている
常緑の月桂樹が思慮深く佇んでいる
愛らしいひなげしが頬笑んでいる
鳥のさえずり、風の口笛
豊かな大気の中をこだまする
私はもう森のなかを迷いながら歩いては
いない 考えにふけってはいない
深々と深呼吸してから 顔をあげる
今か今かと待ちこがれた
目覚めの季節が また再び
巡ってきた
三浦 美弥子